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大阪高等裁判所 昭和37年(く)115号 決定 1962年12月22日

少年 K(昭二一・五・三〇生)

主文

本件抗告を棄却する。

理由

本件抗告の要旨は、原決定が少年の本件犯行による取得現金額を一二万三一七〇円としているのは、重大な事実の誤認であり、原決定の処分は不当であるから、その取消を求めるというのである。

よつて記録を精査するに、原決定の認定した非行事実において少年が現金約五万八七〇円を窃取した旨の記載があるが、記録中の被害届の金額を合算すると現金の被害の総額は約五万一一七〇円であることを認めることができる。しかしながらその間の喰い違いは、僅に三〇〇円に過ぎず、しかも少年の有利に寡小に違算したものであるのみならず、その余の原決定の認定事実の現金額には誤認がないのである。右の程度のものは重大な事実の誤認にあたらないこと明白である。

また、少年の性格、これまでの行状、家庭環境等記録に現われた諸般の事情を参酌するときは、原決定の処分は相当であると認めることができる。

本件抗告はその理由のないことが明白であるから、少年法第三三条第一項により本件抗告を棄却することとして主文のとおり決定する。

(裁判長判事 児島謙二 判事 畠山成伸 判事 松浦秀寿)

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